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外貨建て保険の危険性とは?元本割れリスクや対応策を徹底解説
人生100年時代と言われている現代では、長い人生を安心して生きていくために資産形成への関心が大きく高まってきています。
勤務先の給与や老後の公的年金制度などに頼るだけでは本当に安心して暮らしていくことは難しくなってきており、資産を築き運用していく方法をそれぞれが新たに考えていかなくてはなりません。
そこで注目したいのが、外貨建て保険の利用です。
外貨建て保険には為替リスクや手数料などの存在による元本割れリスクなど、様々な危険があることはやはり否定できません。
一方で、外貨建て保険の特性を理解し上手に利用することができさえすれば、資産運用の非常に有力な選択肢となるのです。
そこでこの記事では、外貨建て保険の解説として
- 外貨建て保険の基本的な仕組み
- 外貨建て保険のリスク
- 外貨建て保険の実質利回りのシミュレーション
- 外貨建て保険と円建保険の比較
- 外貨建て保険の機能を理解し元本割れを回避する方法
- 外貨建て保険に対してよくある苦情
- 外貨建て保険を始めとした金融商品のプロであるFPについて
以上の点に整理してお話ししていきます。
この記事を読めば、外貨建て保険の基本的な仕組みやリスク、実際のシミュレーション、円建て保険との比較検討結果、元本割れの回避方法、外貨建て保険に対する実際の苦情、FPへの相談について知ることができます。
外貨建て保険の利用に際して悩んでいるあなたの大きな助けになりますので、ぜひ最後までご覧になってください。
内容をまとめると
- 外貨建て保険は、保険料の一部を外貨(米ドル・豪ドルなど)で運用する保険で万が一の時の備えと資産運用の両立が可能。
- 高金利な外貨で運用するため、円建てと比較して返戻率が高く150%以上の返戻率が見込めるものもある。
- 一方外貨建て保険は外貨で運用しているため、「為替手数料がかかる」、「為替変動リスクや途中解約によって元本割れする恐れがある」などのデメリットもある。
- しかし、ドルコスト平均法や円建て保険への自動移行、保険金を据え置くなど、元本割れリスクを回避する方法もある。
- 外貨建て保険は魅力的な返戻率がある一方、為替変動などリスクに関する知識も必要なので元本割れに関する苦情件数も多い。
- 元本割れを防いで効率的な資産運用するために、保険の専門家と複数商品を比較検討して自分に合った保険に加入するのがおすすめ。
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最近人気のドル建て保険とは?外貨建て保険の基本的な仕組みを解説
ここでは、外貨建て保険の一つとして最近非常に人気なドル建て保険を例に、外貨建て保険の基本的な仕組みをご説明いたします。
ドル建て保険とは、保険契約者が支払った保険料の一部をドル(米ドル/豪ドルなど)で運用し、出た運用益を保険金や解約時の返戻金の形で契約者に支払う保険商品です。
円建て保険と基本的な仕組みは変わらないのですが、払込保険料や受取保険金を円もしくはドルから選択でき、運用をドルで行うという点で異なっています。
円をドルに・ドルを円に換算することが出てくるため、為替リスクによる元本割れリスクへのケアも必要になってくるのも大きな特徴と言えるでしょう(後ほど説明いたします)。
運用にあたって保険会社があらかじめ約束する利率を予定利率と呼ぶのですが、円建て商品の予定利率はどうしても比較的低くなっているのが現状です。
その理由には、予定利率の指標となる国債利回りの低さがあります。
下表のように、国債の利回りにおいて現在日本は非常に低い状態が続いているため、比較的高利率が期待できるドル建て保険が人気となっているのです。
10年国債利回り | |
日本 | -0.01% |
アメリカ合衆国 | 1.82% |
オーストラリア | 1.12% |
ニュージーランド | 1.51% |
実際にドル建て保険の返戻率は円建と比較すると非常に高い事が多く、万が一への備えと資産形成とを両立させた選択肢となっています。
【これだけでOK】元本割れリスク2つを徹底解説
円建と比較してより大きなリターンを期待できる外貨建て保険ですが、大きく分けて2つの理由により元本割れをするリスクを伴います。
そこでここでは元本割れリスクを発生させる要因として
- 為替リスクの存在
- 中途解約によるリスク
上記の2つに整理して解説いたします。
この2点を理解しておきさえすれば、外貨建て保険を選択する魅力は大きく増加しますので、ぜひともご覧ください。
危険性1:為替レート変動による為替差損の発生
外貨建て保険の最も特徴的なリスクとしては、為替レートの変動リスクが挙げられます。
外貨で運用する以上は様々なタイミングで円と外貨とを替える必要があり、その際に円高・円安といった為替状況の変動によって資産価値が減ってしまうリスクがあるのです。
たとえば運用した結果100,000ドルの返戻金となった場合、円換算額は為替状況によって以下の様に変化します。
為替状況 | 円換算額 |
1ドル=90円の場合(円高傾向) | 9,000,000円 |
1ドル=110円の場合(円安傾向) | 11,000,000円 |
同じ運用益を得ていたとしても、為替状況によっては円換算時の受取額が大きく変わって損をしてしまう事もあり得るのです。
上記の表をまとめると、以下のことが言えるでしょう。
円高 → 円換算には不利
円安 → 円換算には有利
逆に考えれば円換算のタイミングなどに気を配って工夫をすれば、リスクの回避は可能ということなのです(後ほどより詳細にご説明いたします)。
為替レート変動(円高/円安)について図解でわかりやすく解説
準備中
危険性2:早期解約や中途解約では外貨ベースでも元本割れの可能性がある
元本割れリスクのもう一つの原因として考えられるのが、中途解約・早期解約による返戻金の減少です。
外貨建て保険を解約する場合、多くの商品において解約返戻金の計算に市場価格調整や解約控除という仕組みが適用されます。
- 市場価格調整
市場価格調整とは、解約日時点の積立金額に市場金利の変動状況を反映させて返戻金を計算する仕組みのことを言います。
解約時の金利よりも契約時の金利が低ければ解約返戻金は減少し、解約時の金利よりも契約時の金利が高ければ解約返戻金は増額することになるのです。
市場価格調整という仕組みが必要理由には、市場の健全性維持の必要性があります。
たとえば「金利2%の商品」を持っている状態で市場金利が上昇し、新しく「金利3%の商品」が出たとしましょう。
一般的に考えれば多くの人が「金利2%の商品」をどんどん売りに出してしまい、もっと利益が出るであろう「金利3%の商品」をなるべく手に入れようとしますよね。
こうした状態が続くと「金利2%の商品」の市場価値は大きく下がってしまい、そのまま持ち続けていれば想定外の損害を被ることになります。
こういった不合理を起こさないようにするため、「金利2%の商品」を売却して「金利3%の商品」を購入する場合、つまり契約時より解約時の方が市場金利が上昇している時は解約返戻金を減少させて市場全体の均衡を保つのです。
逆に「利率3%の商品」を売却して「利率2%の商品」を購入する場合、つまり契約時より解約時の市場金利が下落している時には解約返戻金を増加させて市場全体の均衡を保つようにします。
- 解約控除
解約控除とは、解約返戻金を計算する際に積立金から一定額を手数料などの形で差し引くことをいいます。
一般的に保険料には、保険金支払の準備金に充てる純保険料と諸経費や運用に充てる付加保険料の2種類を含めて計算されています。
もしあまりに早期解約をされてしまうと、付加保険料だけで諸経費等を回収しきることが困難になるため、解約控除の仕組みを設けてその分の費用を回収しようとしているのです。
解約控除はそういった性質の仕組みであるため、解約までの期間と解約控除の額は反比例し、契約の期間が短ければそれだけ解約控除額は多くなり、長くなれば解約控除額は少なくなります。
- 実際の解約控除例
高い返戻率から人気の外貨建て保険であるメットライフ生命のドルスマートSは低解約返戻金特則の付加により保険料払込期間中の解約返戻金がより引く設定されています。
また、同様に人気の低解約金型終身外貨建て保険として挙げられるキャンドルにおいても、解約や減額をする場合は契約日から10年間は経過期間に応じて所定の金額を控除することとなっているのです。
特に低解約金型の終身保険においては、早期解約に元本割れのリスクがあることを頭に入れておく必要があるでしょう。
ただし一時払い形式の保険商品には解約控除が無いものもありますし、一概に外貨建て保険は解約による元本割れの可能性が高いとまでは言い切れません。
外貨建て保険は積立利率がわかりづらい!実質利回りをシミュレーション
外貨建て保険の利用を検討する際の問題点としては、積立利率の部分が分かりずらく、実際にいくらもらえるのかが分かりにくいということが挙げられるでしょう。
そのためここでは、人気の外貨建て保険の一つであるオリックス生命保険の米ドル終身保険キャンドルを例にして、実際の返戻率をシミュレーションします。
<基本情報>
性別:男性
契約時年齢:30歳
保険料払込期間:60歳まで
低解約返戻期間:60歳まで
基本保険金額:100,000 米ドル
月払保険料:116.50 米ドル
経過年数 | 年齢 | 払込済保険料累計 | 解約返戻金 | 返戻率 |
10年 | 40歳 | 13,980米ドル | 10,487米ドル | 75.0% |
20年 | 50歳 | 27,960米ドル | 23,915米ドル | 85.5% |
30年 | 60歳 | 41,940米ドル | 41,238米ドル | 98.3% |
低解約返戻期間経過直後 | 41,940米ドル | 59,004米ドル | 140.6% | |
40年 | 70歳 | 41,940米ドル | 70,486米ドル | 168.0% |
50年 | 80歳 | 41,940米ドル | 82,228米ドル | 196.0% |
先ほどお話しした通りキャンドルには解約返戻金が低く設定される期間があり、期間経過後は大きく返戻率が跳ね上がる形となっています。
契約から長期になれば返戻率は150%を超え、円建てではほとんど不可能と言っても良いほどの高返戻率を実現できているのです。
外貨両替に為替手数料が掛かる!円建て保険と比較したデメリット
外貨建て保険と円建保険との比較をごく簡単にまとめると、下記のようなものになります。
円建て保険 | 外貨建て保険 | |
為替リスク | なし | あり |
利率 | 比較的低い | 比較的高い |
外貨建て保険は高い利率での運用が期待できるため、円建て保険と比較しても大きなリターンが望める反面、為替リスクが存在するため円換算の際には元本割れに注意が必要です。
また、両替の際には為替手数料が発生する点も忘れてはいけません。
外貨建て保険は基本的に保険料の支払いと保険金の受取を外貨で行いますから、そのつど円を外貨に・外貨を円に両替することになります。
大体1ドルあたり0.5円程度の費用が掛かることが多く、保険料を支払うたびに円をドルに替えていると毎回為替手数料がかかるため注意が必要です。
ただし、為替手数料は保険商品によって0.01円程度の非常に手数料となっているものもありますし、外貨での運用によって期待できるリターンの方が遥かに大きいとは思われます。
契約に伴う費用として負担計画を立てておく必要はありますが、為替手数料の発生を理由に外貨建て保険の利用をためらう必要まではないとは言えるでしょう。
元本割れリスクを回避する方法、外貨建て保険の機能を解説
ここまでは、外貨建て保険を利用するうえでの元本割れリスクについてお話ししてきました。
いずれに関してもしっかりと認識しておかなくてはいけないものですが、逆に最初から理解をして計画立てていさえすれば、決して避けられないリスクではありません。
そのためここでは、元本割れリスクを回避する方法として
- 為替変動リスクを抑える方法
- 早期中途解約によるリスクを抑える方法
上記2つに整理してそれぞれお話ししていきます。
為替レート変動による為替差損の回避方法
まずお話ししたいのが、為替レート変動による損失を回避する方法です。
外貨建て保険は円と外貨を両替する必要が多々出てくる商品ですから、為替の際の差損へしっかりと対策を立てておく必要があります。
契約時・契約中に契約内容を見直すことで避けられることが沢山ありますから、ご確認のうえで取り入れていきましょう。
方法1:ドルコスト平均法で積立てられるドル建て保険を選ぶ
ドルコスト平均法とは、金融商品を一度にまとめて購入するのではなく分けて一定額ずつ徐々に購入していくことで、商品の価格変動に対するリスクを減らす方法のことです。
毎月一定額の円を支払い、外貨で積み立てると、
- 円高の時 → 比較的大きな額を積み立てることができる(有利な条件で沢山外貨を購入できる)
- 円安の時 → 積み立てる額を少なくすることができる(不利な条件下で購入する外貨を減らす)
こういった効果が自動的に発生するため、為替リスクを抑制することができます。
より具体的に理解するため、下記の通り米ドルと円の両替でシミュレーションを行いました。
1米ドルの購入額 | 100円 | 90円 | 80円 | 130円 | 合計 | 平均 購入額 |
|
毎回10,000円 ずつ購入した場合 (ドルコスト平均法) |
円貨 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 40,000円 | 1米ドル =96.85円 |
米ドル | 100米ドル | 111.1米ドル | 125米ドル | 76.9米ドル | 413米ドル | ||
毎回100米ドル ずつ購入した場合 |
米ドル | 100米ドル | 100米ドル | 100米ドル | 100米ドル | 400米ドル | 1米ドル =100円 |
円貨 | 10,000円 | 9,000円 | 8,000円 | 13,000円 | 40,000円 |
毎月円で支払う額を決めてしまい、徐々に負担することで為替の変動によるリスクを最小限に止めることができます。
上記の例では、1米ドルあたりの平均購入価格を3.15円抑えることができました。
保険料を一括で払うのではなく月払い等で徐々に負担できる商品を選べば、ドルコスト平均法によって為替リスクを回避することが可能になるのです。
例えば住友生命の「たのしみ未来グローバル」やマニュライフ生命の「こだわり個人年金」などは、ドルコスト平均法を取り入れた商品と言えます。
方法2:目標設定と円建て保険へ自動移行の特約を付帯する
あらかじめ解約返戻金の円換算金額の目標設定をしておいたり、目標を達成した時に円建て保険へ自動移行する特約を付けておいたりすることも、必要以上の為替リスクを負わないためには効果的です。
ご自身が望む金額まで解約返戻金が到達すれば、それ以降は為替リスクを負ってまで運用益を求め続ける必要がなくなります。
そのため以降は解約をして手元にお金を残したり、円建て保険に移行させて円建てで運用成果を確保することが、賢明な選択肢の一つと言えるのです。
円建保険自動移行の特約・特則をオプションに設けている商品には、明治安田生命の「エブリバディプラス」や大樹生命(三井生命)の「ライフロード」など様々なものが挙げられます。
方法3:保険金の据え置き、繰り延べが可能な保険を選ぶ
個人年金保険等の場合で、保険金を受け取る時期を「据え置き」や「繰り延べ」でずらすことができる商品も選ぶことも、為替リスクによる元本割れを避ける手段としては効果的です。
据え置きや繰り延べができる商品であれば、「保険金受取日時期に円高が重なってしまい大きく損をしそう」などと予想できる場合、すぐに外貨から円に両替をしない選択肢が出てきます。
そのまま外貨でとっておき、円安になるまで待つことができるのです。
大樹生命の「ドリームロード」など、多くの商品にこういった仕組みが設けられています。
早期解約や中途解約による元本割れの回避方法
ここから共有したいのは、早期解約や中途解約による元本割れを避ける方法です。
契約期間の途中で解約をするのには、「解約返戻金が十分な額になった」などのポジティブな理由だけではなく、「保険料の支払いを続けることができなくなった」などのネガティブな理由もあります。
前者の場合は自分の最も得するタイミングを見計らえば良いのですが、後者のような理由であれば時期をうかがう余裕がないことも多く、何か別の方法で元本割れリスクを回避しなくてはなりません。
そこでここでは主に、解約をやむなく選択しようとしている状況で取れる方法をご紹介いたします。
方法1:契約者貸付を利用して一時的に積立金を引き出す
保険契約は時に非常に長期になることもある契約です。
その中で突然、契約時には想定できなかったような事態が発生して収入に影響を及ぼし、保険料の負担が難しくなってしまうことだって十分にあり得ます。
そんな時は解約を選ぶ前に、契約者貸付を利用する手はないか検討してみましょう。
契約者貸付とは、簡単に説明をすると保険積立金の中から借り入れを行う制度のことです。
いわゆるかけ捨てではない、貯蓄性の高い保険商品には契約者貸付制度が設けられていることが多く、解約返戻金内の一定の上限額までなら使用目的の申告も要らずに何度でも借り入れができます。
借入である以上利息は数%~10%弱程度付くのですが、保証人も立てる必要がなく、信用情報にも残らないため非常に使い勝手が良い借り入れ方法なのです。
あくまでも借り入れであるため以下の点には注意する必要がありますが、
- 借入金であるため当然返済する必要がある
- 借入中に保険金や解約返戻金を請求すると借入元金と利息分が差し引かれる
- 借入金額が解約返戻金額を超えたら契約は失効してしまう
返済方法も柔軟に選択でき、解約をしたわけでは無いため保障は継続するとても優れた仕組みと言えるでしょう。
契約者貸付制度を設けている保険商品は沢山ありますが、選んだ商品に制度があるかどうかは事前に確認しておく必要があります。
方法2:払い済み保険に移行!一時払い保険にして解約タイミングを待とう
払済保険とは、保険料の支払いが難しくなったなどの場合に契約を継続させたまま保険料の払込を中止することを言います。
保険料の支払いを止めることができる一方で保険期間はそのまま継続され、補償額の少ない保険に切り替わる制度なのです。
また、払済保険は保険金が減る一方で保険料負担も減るため、タイミングによっては返戻率を高めることも可能になります。
どのタイミングが良いと具体的に言うことはできないのですが、解約をしてしまうくらいであれば利用を検討すべき仕組みであると言えるでしょう。
払済保険も多くの外貨建て保険商品に用意されていますが、例えばプルデンシャル生命の「米国ドル建リタイアメントインカム」などはその一つと言えます。
損益分岐点は必ず把握しておこう!解約タイミングの判断軸になる
ここまで様々な元本割れリスク回避方法についてお話ししてまいりましたが、いずれの場合においても損益分岐点をしっかりと把握しておくことがとても大切です。
例えば先ほどのシミュレーション表をもう一度確認すると、
経過年数 | 年齢 | 払込済保険料累計 | 解約返戻金 | 返戻率 |
10年 | 40歳 | 13,980米ドル | 10,487米ドル | 75.0% |
20年 | 50歳 | 27,960米ドル | 23,915米ドル | 85.5% |
30年 | 60歳 | 41,940米ドル | 41,238米ドル | 98.3% |
低解約返戻期間経過直後 | 41,940米ドル | 59,004米ドル | 140.6% | |
40年 | 70歳 | 41,940米ドル | 70,486米ドル | 168.0% |
50年 | 80歳 | 41,940米ドル | 82,228米ドル | 196.0% |
こちらは低解約返戻期間が設けられていますので、その期間中に解約をしてしまえば当然大きな損です。
またそれだけではなく、保険料を払い込み終わった60歳時点ではまだ返戻率が100%を切っているため一定期間は待ち続ける必要も出てきます。
どの時期に解約すれば得をするのか、損をしないためにはいつまでは待たなくてはならないのかなどをシミュレーションしたうえで、ご自身に最適な時期や方法を選択していきましょう。
コラム:外貨建て保険の銀行窓販で頻発する苦情の原因とは?
外貨建て保険はとても魅力的な商品であるにもかかわらず、世間一般のイメージは残念ながらあまり良くないものも多いのが実情です。
実際に生命保険協会が出した統計によると、下記の通り外貨建て保険の銀行窓販に対する苦情はここ4年間で2倍以上になっています。
2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
苦情発生件数 | 922件 | 1,329件 | 1,665件 | 1,888件 | 2,543件 |
苦情発生率 | 0.12% | 0.10% | 0.10% | 0.09% | 0.08% |
出典:生命保険協会HP
また、「元本割れの可能性を十分説明しなかった」などリスク開示が不十分という苦情が7割以上であり、契約者の年齢は60歳以上が大半であったことも分かっています(参考:産経新聞HP)。
ただしここで一つ確認しておきたいのは、苦情発生率が高まっているという訳ではなく、苦情発生件数の急増には外貨建て保険の販売数自体が増えていることも大きく関係していると思われることです。
苦情の原因の本質は「銀行員の説明不足」!外貨建て保険の疑問は徹底的にクリアにしよう
ここまでの整理をすると、「市場規模の拡大に伴って苦情件数も増加しており、商品そのものより販売員の説明不足が苦情発生原因の大部分を占めている」ということが言えます。
ただしここで注意しておきたいのが、保険契約に関する説明がどこから十分だと言えるのかは、契約者一人一人によって違うということです。
もちろん銀行員の説明スキル・姿勢の改善がまず重要になるでしょうが、売り手が契約者にとって必要な情報を全て網羅して説明するというのは、実際にはとても困難なことではあります。
そのため、契約者側にとっても疑問に思ったことはそのままにせず解消しようとする姿勢が大切となるのです。
分からないことが出てきたときになんとなく進めてしまうのではなく、誰かに相談して納得しながら進められる状況を作ることができれば理想的だと言えるでしょう。
外貨建て保険の加入や見直しは保険のプロ(FP)に相談しよう
外貨建て保険の加入や見直しをしようとすると、分からないこともたくさん出てきて当然ですし、「何が分からないのかも分からない」という状態になる可能性も十分に考えられますよね。
そこで分からないままで終わらせるのではなく徹底的にクリアにしていく事が大切なのですが、一人で調べたり悩んだりしても、なかなか良い答えは出てきません。
そのまま悩み続けてしまったり、調べてみても次々と新たな疑問が湧いてきてしまったりと、悪循環にハマってしまうことも多くあるのです。
また、他にもやらなくてはならないこと・やりたいことが沢山ある中で、そこまで多くの時間を保険の検討に充てることもできないですよね。
そのため、比較的複雑な商品である外貨建て保険においては、一人で悩まずに保険のプロであるFPに相談することがやはり一番と言えます。
考えていることや不安に思っていること、分からないことをFPにご相談いただき、あなたにとって最適なライフプランニングを一緒に行っていきましょう。
まとめ:外貨建て保険の危険性とリスク対策のおさらい
この記事では、外貨建て保険の危険性とリスクについて
- 外貨建て保険の基本的な仕組みの理解
- 外貨建て保険の元本割れリスクの整理
- 外貨建て保険の実質利回りのシミュレーション
- 円建て保険と比較した時の外貨建て保険のデメリット
- 元本割れを回避するためにとれる方法
- 外貨建て保険に対する苦情の急増と原因の整理
- 外貨建て保険の検討における金融商品のプロ(FP)の活用
以上にまとめてお伝えいたしました。
今回お話ししたことを踏まえて外貨建て保険に関して整理をすると、
- 為替リスクや中途解約による元本割れリスクを上手に回避すれば魅力的な商品である点
- 比較的複雑な保険商品であるため、資産形成の有効な手段とするにはFPも活用いただくべき点
以上のようなことが言えるのではないでしょうか。
外貨建て保険自体は非常に魅力的な資産形成手段ではあるのですが、その複雑さから売り手と契約者との間で認識や情報の非対称性を解消するのが難しい商品でもあります。
けれども今回ご覧いただいた通り特性やリスク回避について理解を深めさえすれば、外貨建て保険はあなたの大切な資産を運用する選択肢の一つとして非常に優秀であると言えるのです。
そのための有効な手段としてFPを活用いただければ、あなたにとって最適な商品選択や契約の設計を行うことが期待できるでしょう。
もし、外貨建て保険が本当に良い保険なのかわからない、他の円建て保険商品などと比較して検討してみたいなどのご要望がありましたら、無料の「保険相談サービス」を利用することをおすすめします。
外貨建て保険はそもそも仕組み自体が非常に複雑ですし、現在も契約数が増え続けている外貨建て保険をネットの情報だけを頼りに自分で調べることにはどうしても限界があります。
そんな場合は、マネーキャリアという保険のプロであるFPに無料相談できるサービスがございますので、こちらでライフプランの相談も含めた保険の相談をすることをおすすめします。
保険相談の担当者は全てベテランのスタッフですので、難しい外貨建て保険でもわかりやすく説明してもらえますし、自分に合った保険を納得して選べるでしょう。
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